東京の長屋に住む Tokyo JAPAN
東京人はどんなところに住んでいるのでしょうか。
そんな素朴な疑問にお答えします、第3回目は「長屋に住む」です。
日本の建築基準法では一つの敷地に一つの建物しか原則建てられません。
一敷地一建物の原則と言われています。この規定の詳細は、用途上可分な建物(例えば住宅と住宅)はそれぞれ別々の敷地に建てなさい、用途上不可分な建物(例えば住宅と住宅に付属する車庫、物置など)は一つの敷地に建てることを認めます、ということです。
建築基準法的に長屋とは、各住戸間の界壁以外共有する部分がなく各住戸に外部から直接出入り出来る建築物、と規定しています。
不動産業界では、長屋というと落語に出てくるような建物をイメージされる方が多いので、タウンハウスあるいはテラスハウスのように呼ばれるのが一般的です。
親と子、2戸の住宅を一つの敷地に建てるとしましょう、このままでは2戸建ちません。
アイディアその1:2戸の住宅を渡り廊下でつなぐ、これで1戸の住宅です。
アイディアその2:住宅どおしをくっつける、住戸間の界壁を共用しています、長屋です。
アイディアその3:くっつけてかつ、廊下、階段などを共用します、共同住宅です。
墨田区 Sumida-ku TOKYO
現在の東京に落語に出てくるような長屋はありません。どうしても見たいという方は「東京江戸博物館」に再現されています。


多摩ニュータウンは、東京都南部の多摩丘陵に位置し、多摩市を中心に稲城市、八王子市、町田市にまたがる日本最大規模のニュータウンです。1971年に入居が開始され、現在では人口20万人、8万世帯を超えるまでに発展してきました。
多摩ニュータウンの住宅開発において、戸数としてはわずかですが、公設の先駆的な計画として現代の長屋であるタウンハウスがいくつか実現しました。
しかしその後現在ではタウンハウスが計画されるのはまれになりました。理由として土地を潤沢に使用するがゆえ高層住宅に比べて高価になる、住環境は勝が独立性は戸建住宅より劣り木造建売住宅と競合する、など事業として成り立たないケースが多くなったからです。

多摩市 その1 Tama City TOKYO
1979年入居開始、日本の公設タウンハウス第1号です。当初の緑豊かな環境に住むという目的は達せられ、今では貫禄さえ漂います。
多摩市 その2 Tama City TOKYO

多摩市 その3 Tama City TOKYO
顔と顔を突き合わせて暮らす、濃密な空間を好きな人にはたまらないでしょう。

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