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生活空間としてのチョ-ク  カトマンドゥ盆地の広場考 その1   Kathmandu Valley NEPAR

2015年4月25日にネパールを襲ったマグニチュード7.8の大地震は、多くの人命を奪い、建造物に甚大な被害をもたらしました。
被災された方々に心よりお見舞い申しあげます。
スタジオヤマがあえて震災前の写真を用いて〈 カトマンドゥ盆地の広場 〉 をブログするのは、ひとりでも多くの方がネパールという国、なかでもカトマンドゥ盆地という地域に関心を持っていただきたいと思うからです。ブログで紹介する写真のような姿を取り戻すには、長い時間と莫大な費用が必要でしょう。
スタジオヤマは、スタジオヤマにでもできることは何なのかを考え始めました。

ネパールのカトマンドゥ盆地には3つの主要都市、首都のカトマンドゥ、そしてかつての王都パタン、バクタプルがあります。各都市には旧王宮があります、そして王宮を含む多様な建築が集合化したダルバール広場 (Durbar Square) があります、ダルバールとはネパール語で「宮廷」という意味です。
さらに街中には、チョーク (chowk) とよばれる広場が数多く存在します。チョークとは歴史的には王宮や寺院などにある中庭を示します、現在では広場の意味で使用されている例が多いようです。
ネパールの広場を語るときこのチョークからスタートするのが順当でしょう。

カトマンドゥ旧市街の繁華な通りマカン・トールには、インドラ・チョークとそこから300mほど離れたところにアサン・チョークがあります、喧騒の中を歩いてみましょう。
チョークには必ずあるヒンドゥ教の寺院にお参りする人が鳴らす鐘の音が聞こえます。早朝には野菜などの食良品を並べたマーケットが開かれています。スパイス、お香、クルタスルワールなどの衣料品、ブランケット、布地、金属製の食器、靴などを扱う昔ながらの小さなお店が軒を連ねています。
この空間こそがカトマンドゥ盆地における広場の始原なのでしょう。
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郊外農村地帯のコカナ村にあるチョークにはまったりとした空気が流れています。
ダルマシャーラとよばれる休憩所に座って所在なさげにチョークを眺める人、屋外での作業に励む人、くつろぐ人、人間ばかりでなくガチョウもヤギも犬もいます。チョークは、軒を接して建てられた住宅に住む人々が共有する庭や作業場として機能しているのです。
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Tag:南アジア  Trackback:0 comment:0 

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自らの思慮を表現していきたいと思っています。
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