アダーラジとパータンの階段井戸 Adalaj Patan West INDIA
階段井戸(Baoli , Vav)とは、地下の水辺まで階段を利用して降りて行き、水を汲みあげる施設です、また気化熱の作用により人々に涼みの場を提供しました。
井戸ですから地上部分には目立つものがありません、が地下の最も深いところにある水辺に至る通路状の部分、土圧を受ける壁や柱、梁に彫刻などに装飾を施し、建築化しています。
階段井戸は、西インドの各地に数多く残されています。
アダーラジ(Adalaj)のルダ階段井戸(Ruda Baoli)は16世紀に建設されました。
地上の三方からの階段が、踊り場的空間でひとつになり、シャフトを通じて井戸底へ降りて行きます。その体験は、暗い地底世界に足を踏み入れていくような奇妙な感覚です。
パータン(Patan)にある11世紀に建設された王妃の階段井戸(Rani Vav)は、インドで最大の規模を誇っています。
地上には何もありません。
幅17m、長さ65m、深さ28mにもおよぶ地下7層の階段井戸です。
地下の構造体である壁や柱、梁には、グジャラート彫刻の粋を集めたたくさんの神像が刻まれ、全体として巨大でかつ華麗なモニュメントとしてその存在感を誇示しています。
地下の建築物は地上に建設するより多くの労働力と、なによりも高い技術力が必要です。
スタジオヤマはこれだけの地下建築物を創った人々の熱意にただただ驚愕するばかりでした。
Comment