ベトナム阮王朝の建築 陵墓 Hue VIETNAM
ベトナム、フエ郊外には、13代続いた阮(グエン)王朝の各皇帝および彼らの母、妃、子供などの陵墓が数多く残されています。
初代皇帝の嘉隆(ザーロン)帝陵を、配置図(建造物を地図上にプロットしたもの)片手に鑑賞すると、建築の配置、それらを取り囲むように造られた池の形などにそれぞれ意味があり、当時の皇帝の宇宙感を具現化していることが理解できます。
啓定(カイディン)帝陵は、ベトナム・バロックというべき華麗な装飾を魅せてくれます。
他の帝陵のような大規模な庭園を持たず、階段状のテラスに建築を配置し、全体をコンパクトで濃密な空間にまとめています。
明命(ミンマン)帝陵は、陵墓のゲートである大紅門から皇帝墓までのアプローチ軸線上に、庭、池、建築などが連続的に展開し、典型的でかつ見事なシークエンス空間を構成しています。
実際にその空間の中を歩いて見ましょう。
建築や植栽などにより可視空間が拡がったり狭まったりし、同時に階段などにより目線の高さが変化していること。合わせて明るさなど人間の五感に訴える全ての要素を動員して、陵墓全体が、一番奥の主が埋葬されている墓に参拝する気概を醸成する舞台装置となっていること。
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