古代ギリシア建築の精華 その3 Ancient Greek architecture
古代ギリシア建築の精華を5回にわたってブログしたいと思います。
3回目はお楽しみの空間です。
古代ギリシア人の生活の中で、劇を観る、競技を観るなど、日常の生活から離れ華やかなお楽しみについての施設です。
まずはテアトロン(劇場)です。
古代ギリシアの劇場の構成をみてみましょう。
半円形の演劇を行う場所をオルケストラ、背後にある壁をスケーネ、それらと相対する階段状の観客席をテアトロンと称します。
そして劇場全体もテアトロンと称します。
演者の声が最後列の観客席まで含めた劇場全体に響くように、音響設計がなされています。
《 エピダウロス Epidavros 》
ギリシアに遺るテアトロンの中で、最も保存状態がよくほぼ原形をとどめています。
《 スパルタ Sparta 》
歴史に名をきざむスパルタですが、めぼしい遺跡はほとんど遺っていません。
テアトロンがかろうじてその姿を伝えています。
つぎはスタディオン(競技場)です。
1スタディナ(stadia)およそ180mの直線コースを馬蹄形の観客席で囲んでいます。
スタートラインとゴールラインは、地面に石が埋め込まれています。
《 オリンピア Olympia 》
古代オリンピックが開催されたスタディオンです。
アスリートたちの熱戦が繰り広げられました。
《 ロドス島 Rhodes 》
スミス山(Mt.Smith)にあります。保存状態が素晴らしい、いますぐ競技が開催できそうです。
そもそも論です。
演劇ならばシナリオがあり、それを演じる役者がいて、演出家がいて初めて鑑賞にたえる芸術となります。
同様に競技でも、種目があり、ルールがあり、アスリートがいて審判員がいて初めて競技として成立します。
それらの機能を満足させる公共施設が必要になり建設されました。
そしてその施設を使うことにより、演劇や競技がさらに発展していきます。
両者は車の両輪のような関係なのでしょう。
古代ギリシアの時代は、日本でいえば縄文時代から弥生時代初期です。
その時代に、と思うとスタジオヤマはただただ驚くばかりです。
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