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瀋陽 ハルピン  満州国時代の建築 Architecture of Manchukuo era

 日本統治時代の朝鮮、台湾そして満州国の建築を5回シリーズでブログしたいと思います。
第4回は満州国時代「奉天」と称していた瀋陽とハルピン(哈爾浜)です。
 
瀋陽は満州国時代から東北地方最大規模の都市であり、経済・文化・交通および商業の中心地でありました、現在でも中央直轄市としてさらなる成長を続けています。
また瀋陽は、中国最後の王朝である清朝を打ち立てた満州族ゆかりの地です。
王朝ゆかりの瀋陽故宮、東陵、北陵などが世界遺産に登録されています。
 
 
《 張作霖官邸 大青楼 》
現:張氏師府博物館 設計:不詳 竣工:1922年
張作霖(1875年-1928年)は、満州国時代の軍閥政治家(卑俗な言い方をすれば馬賊の頭目)です。当時の奉天に本拠地を置き、一時は「満洲王」と呼ばれるほどの威勢を誇りました。
1928年関東軍の謀略により、乗っていた列車ごと爆破され重傷をおい死亡しました。その後満洲は1931年の満洲事変、翌年の満州国独立と一気に歴史は動いたのです。
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《 奉天日本総領事館 》
現:瀋陽迎賓館 設計:三橋四郎 竣工:1912年
満州に置かれた日本の在外公館の代表的な建築です。
三橋四郎は瀋陽のほか長春、吉林、牛荘の領事館を設計しています。
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《 満鉄奉天公所 》
現:瀋陽市少年児童図書館 設計:荒木清三 竣工:1924年
瀋陽故宮の近くにあります、そのため故宮に配慮したのでしょうか、外観は中国の宮殿建築をモチーフにしています。
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《 京奉鉄道奉天駅 》
現:瀋陽鉄路分局ビル 設計:基泰工程司 竣工:1930年
中国の駅舎では、現在でも待合ホールをヴォールト屋根で覆うデザインが多くみられます。
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《 吉順糸房 》
現:第二百貨商店 設計:不詳 竣工:1925年
ファサードは、典型的な中華バロックスタイルでまとめられています。
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満州国時代ハルピン(哈爾浜)の民間建築
19世紀末まで小さな漁村にすぎなかったハルピンが、1898年、ロシア帝国による満州を横断する東清鉄道の建設が開始されると、ロシア帝国の支配のもと、満州からロシア・ヨーロッパ方面への鉄道輸送の要衝として急激に成長し、近代都市へと大きな変貌を遂げました。
現在のハルピンは、中国最北部に位置する黒龍江省の省都で、中国東北部の経済、文化の中心のひとつとして発展を続けています。
 
《 キタイスカヤ 》
現:中央大街
キタイスカヤは1920年代「東方のパリ」と呼ばれ、東アジア有数の国際色豊かな繁華街でした。
現在はオープンエアーの建築博物館的様相を見せ、当時の繁栄ぶりを感じ取ることができます。
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《 モデルン・ホテル Modern Hotel 》
現:馬迭爾賓館 設計:不詳 竣工:1913年
当時のハルピンを代表する豪華ホテルです。外観は改修されてしまいましたが、パラペットや窓のまわりにはアールヌーヴォー調のデザインが残されています。キタイスカヤにあります。
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《 松浦洋行 》
現:教育書店 設計:不詳 竣工:1920年
近江商人の松浦吉松が創設した松浦洋行のビルです。ネオ・バロック様式の5階建で、当時ハルピンで最高の高さを誇りました。キタイスカヤにあります。
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《 秋林洋行 》
現:秋林公司 設計:不詳 竣工:1908年
ロシア商人チューリンが開業したデパートです。現在でもハルピンを代表するデパートです。キタイスカヤにあります。
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《 天豊源永記網緞雑貨店 》
現:華豊商場 設計:不詳 竣工:1915年
中華バロック様式の建築です。入口廻りを仔細に観てみましょう、入口両側のねじりんぼう円柱は、仏教のお堂基礎の上に立っています、柱頭の葉は白菜です、さらにその上に意味不明な球、そしてコリンシャン・オーダーが、入口を飾っています。
頭の中が混乱します、全体をみればまとまっているのではないでしょうか。
これが中華バロックです。
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《 同義慶百貨店 》
現:純化医院 設計:不詳 竣工:1920年
中華バロック様式の外観が際立っています。
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Tag:東アジア/東南アジア  Trackback:0 comment:0 

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