クメール建築大全 その4 Khmer Architecture
カンボジア、タイ、ラオスにまたがり存在し、いまなお輝き、人々を魅了しづけるクメール建築を楽しんで頂きたいと思います。第4回目はアンコール・トムから遠く離れたカンボジア領内の遺跡です。
ひとくちメモ
クメール建築をより深く知りたい場合はどうしたらよいのでしょうか。
ガイドブックとしては、地球の歩き方〈 アンコール・ワットとカンボジア 〉がベストだと思います、ひと昔まえの本の小口がブルーだったころの版に比べて格段の進歩です。内容についてもlonely planetの〈 Cambodia 〉と同等かそれ以上の出来です、ただしお互いに触れてない部分があります、よって補完する意味で2冊通読するのがよいのではないでしょうか。
遺跡の見どころをさらに詳しく知りたいなら〈 FOCUSING ON THE ANGKOR TEMPLES 〉が、図版を豊富に用いて、これでもかというくらい詳細に紹介しています。
タイ、ラオスのクメール建築のガイドブックとしては〈 KHMER TEMPLES IN THAILAND AND LAOS 〉が内容的に充実しておりハンディで使いやすと思います。
いわゆるアンコール本は、ネットで検索すれば山ほど見つかるのであえて取り上げません。
遺跡ハンターを目指すなら、日本の国際協力機構(JICA)が刊行した〈 シュムリアップ地域の1/10000地形図 〉は必携でしょう。
遺跡をさらに奥深く本質を理解するための資料として実測図があります。
実測図とは、文字どおり実際に遺跡にものさしをあてて測り、平面図、立面図、断面図などにまとめたものです。よって作成には膨大な時間と労力が必要です。
アンコール・ワットを例にとるならば、フランス国立極東学院(EFEO)が刊行した〈 ANGKOR VAT DESCRIPTION GRAPHIQUE DU TEMPLE 〉があります。スタジオヤマは、この113枚のプレートからなる実測図を観ていると、そのたびに新しい発見があり、無限の想像力が湧いてくるような気になります。
《 バンテアイ・スレイ Banteay Srei 》
《 ベン・メリア Beng Mealea 》
現在でも発見当時のままで、修復の手が入っていない遺跡です。足場の悪い誰もいない密林のなかを写真をとりながらうろついていると、思わずこれが遺跡なんだ!と呟いてしまいました。
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《 クバール・スピアン Kbal Spean 》
シュムリアップ川の源流である小さな川の川底や川岸にある石に、ヒンドゥ教の神々が彫られています。

《 コー・ケー遺跡群 Koh Ker 》
コー・ケーには10世紀短い期間ですが王都が置かれました。この地方の中心都市だったのです、数多くの寺院が遺されました、中でもプラサット・トムは7段の基壇を持ちコー・ケーを代表する寺院です。
プラサット・トム Prasat Thom


プラサット・リンガ‐1 Prasat Linga-1

プラサット・ニエン・クマウ Prasat Neang Khmau

プラサット・プラム Prasat Pram

《 ソムボー・プレイ・クック遺跡群 Sambuor Prei Kuk_ 》
ソムボー・プレイ・クックは、7世紀かつてチェンラと呼ばれたころの王都です。クメール人によって創られた最初期に属する遺跡のひとつです。
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《 プリア・カーン Preah Khan 》
コンポンスヴェイという町にあります、シュムリアップにあるプリア・カーンとは別寺院です。南塔門が実にフォトジェニックで感心することしきりです。

《 プリア・ストゥン Preah Stung 》
小さな寺院です、が観世音菩薩の4面仏は一級品です。

《 バンテアイ・チュマール Banteay Chhmar 》
回廊の外壁には、チャンパ軍との戦争などを彫り込んだレリーフが数多く遺っています。バイヨンのレリーフとよく似ています。極めつけは、西側外壁に遺る千手観音のレリーフでしょう。



《 プリア・ヴィヘア Preah Vihear 》
ダンレック山脈の斜面を利用した1.5kmにもおよぶ長い参道を歩いてお参りします。
タイとカンボジアの国境に位置します、最初に訪れたときはタイ側から入りました、2回目からはカンボジア側からでした。
タイとカンボジアの国境に位置します、最初に訪れたときはタイ側から入りました、2回目からはカンボジア側からでした。
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