To mourn 弔うということ その1
生きているものはいつか死にます。
そして人間だけが死者を弔います。
弔うということを5回シリーズでブログしたいと思います。
このシリーズは社会学的なアプローチをするものではありません。
生活景として眼に入るものに注目しています。
具体的には、個人のメルクマールとしての墓標、その集合体としての墓地です。
よって、高さで世界最大とされるエジプトのピラミッドや、面積で世界最大とされる大阪府堺市にある仁徳天皇陵のようなモニュメンタルな墓標・墓所は割愛しました。
よって、高さで世界最大とされるエジプトのピラミッドや、面積で世界最大とされる大阪府堺市にある仁徳天皇陵のようなモニュメンタルな墓標・墓所は割愛しました。
ところで墓標、墓所、墓地とは何なのでしょうか。
日本でいえば、先祖代々などと刻まれた狭義のお墓、墓標です。さらに戒名など刻まれた墓誌などの施設を含む一つの区画、広義のお墓、墓所です。墓所と関連する施設が集合しまとまりをもった施設群、墓地です、墓場(はかば)とも言います。
スタジオヤマが墓標や墓地に興味を持ったきっかけは、ネクロポリスを観た時の感慨からです。
ネクロポリスとは、死者の都市です。生きている人のための都市・アクロポリスの対概念です。
古典ギリシア時代の人々の死生観が、この両方の都市に現れています。
よって両方の世界を理解しないとギリシア文明を理解したことにならないのではないか。
さらに宗教、民族、地域などの違いを超えた、人類に共通した事項ではないか、という思いに至りました。
さらに宗教、民族、地域などの違いを超えた、人類に共通した事項ではないか、という思いに至りました。
墓地はきわめてプライベートな空間です、観光地ではありません。このブログで紹介する墓地は
一般に公開されている、およびそれに準ずるものです。それでも弔われている人に尊厳の意をもって臨めない方の立ち入りは、遠慮すべき領域だと思います。よって墓地の名称、場所を特定できるような詳細な地名などは、あえて記載しませんでした。
Necropolis
Pamukkale TURKEY トルコ



Guatemala city GUATEMALA グアテマラ 


《 弔うということ ラテン世界 》
古代地中海世界のラテンから派生した、各地のラテン世界の墓地を観てみましょう。
Chichikas Tenango GUATEMARA グアテマラ
ラテンアメリカ、中米グアテマラのキリスト教に改宗したインディオの墓地です。
かれらが着ている衣装もこのようにカラフルです。

Navalas PHILIPPNES フィリピン
アジアのラテン、フィリピンにある墓地です。
両国は地理的には遠く離れています。しかしカソリック信者であること、スペインのコロニーだったという根底に共通したものあるがゆえに、両者の墓地には似かよった雰囲気があります。

Guatemala city GUATEMALA グアテマラ
《 墓標いろいろ 履歴付き墓標 》
埋葬されている個人を容易に特定できるもの、が付加された墓標です。
Potelych UKRAINE ウクライナ
墓標に顔が刻みこまれています。これならだれのお墓なのか一目瞭然ですね。

Sapanta ROMANIA ルーマニア
さらに進化して、故人がなんの職業についていたのか、何が得意だったのかを、レリーフと文章で記録されています。一番左側の人は炭鉱夫のようです。
これらは一人の職人、亡きあとは彼の弟子たちによって作られています。

To mourn 弔うということ その2
生きているものはいつか死にます。
そして人間だけが死者を弔います。
弔うということを5回シリーズでブログします、その第2回目です。
《 弔うということ ユダヤ教とイスラーム 》
ユダヤ教、キリスト教そしてイスラーム、すべて一神教です。
根っこの部分は共通なのです。さて墓地はどうでしょうか。
Jerusalem ISRAEL イスラエル
To mourn 弔うということ その3
生きているものはいつか死にます。
そして人間だけが死者を弔います。
弔うということを5回シリーズでブログします、その第3回目です。
《 弔うということ アジアの多様性 》
多民族国家であるマレーシア(MALAYSIA)は信教の自由が認められています。
イスラームが国教でありマレー系の人たちに広く信仰されています(61%、外務省資料による)、ただし中国系は仏教(20%)、イギリス植民地時代の影響でキリスト教徒もいます(9%)、またインド系はヒンドゥー教を信仰しています(6%)。
そして祝日もイスラームの祝日だけでなく、ヒンドゥー教の祝日、中国の旧正月、クリスマスまで祝日です。ようするにお互いの宗教を尊重し合い共存しているのです。
アジアにおける宗教の多様性、その典型を首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)で見ることにしましょう。
ムスリムの墓地
To mourn 弔うということ その4
生きているものはいつか死にます。
そして人間だけが死者を弔います。
弔うということを5回シリーズでブログします、その第4回目です。
《 弔うということ 軍人さん 》
軍人さんの墓地はどの国でも特別仕様です、一目でそれとわかります。
同じ形の墓標が規律正しく並び、まるで軍服を着た軍人が行進しているかのようです。
Virginia USA アメリカ
第一次世界大戦からベトナム戦争、そしてその後の世界各地で勃発した紛争などによるアメリカ軍戦没者が埋葬されています。



Thessaloniki GREECE ギリシア
第一次世界大戦、サロニカ戦線での戦闘で亡くなったギリシア兵が埋葬されています。

Kanchanaburi THAILAND タイ
第2次世界大戦末期、日本はタイとミャンマーを結ぶ泰緬(たいめん)鉄道を建設しました。作業員として連合軍の捕虜が動員され、過酷な労働で少なくとも数万人が亡くなりました。
そのかれらが祀られています。
合掌。


《 墓標いろいろ What am I? 》
私の人生は何だったのか
当事者は大真面目。不謹慎かもしれませんが、クスッと笑えるユーモアがある墓標です。
Saint Petersburg RUSSIA ロシア
Malacca MALAYSIA マレーシア
To mourn 弔うということ その5
生きているものはいつか死にます。
そして人間だけが死者を弔います。
弔うということを5回シリーズでブログします、最終回です。
《 弔うということ そして日本 》
永遠に眠ることについて考える、それは起きているときです。