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ヨルダン ペトラに観る古代都市遺跡 その2   Petra JORDAN

ヨルダンの古代都市遺跡を巡り歩いてきました。
前回のブログでは、ペトラの導入部と中心部であるコロネイド・ストリートをブログしました。
今回はペトラの中心部から少し離れた都市遺跡をブログします。とはいってもペトラには、広大な地域に数多くの遺跡が存在しています、したがってここで取り上げている遺跡はその中のほんの一部です。

コロネイド・ストリートから厳しい山道を登っていくと、エド・ディル(修道院)に行き着きます。
高さ40mを超える大きな岩を彫り込んでつくられています。
エド・ディルのように彫刻のごとく刻んでつくる建築と、重力に抗って下から組み上げていく一般的な建築、建設に際してどちらか大変なのでしょうか、研究者によると刻んでつくる建築の方が容易に建設できるそうです。
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ローマ兵の墓は、都市の中心部から一山超えて、ワディ・ファラサと呼ばれる山と山の間にある枯川の谷底にあります。外壁にローマ兵のレリーフがあるためこう呼ばれています。
ローマ兵の墓の近くにある、庭の墓も興味深いです。墓室側から見ると、ワディ・ファラサが柱によって切り取られ、絵画的額縁効果がみごとに決まっています。
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ナバテア人の採石場と呼ばれているところです。遺跡というより環境の厳しさを実感できる場所です。迫りくる山肌、乾燥しきった沙漠の山岳風景が眼の前に拡がっています。151018-05


王家の墓は、コロネイド・ストリートを少し見下ろす断崖の岩に彫られた墳墓群です。宮殿の墓、コリンシアンの墓、アーンの墓、ウナイシュの墓などなどが連なっています。
西日に照らされたが夕方に訪ねるのがお勧めです、ネコもきていました。
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ヨルダン ペトラに観る古代都市遺跡 その1   Petra JORDAN

ヨルダンの古代都市遺跡を巡り歩いてきました。

ヨルダンに在るからといって、ヨルダン様式の都市遺跡とは限りません。現存する大部分の建造物は、建設された時代を統治していた国の特徴を色濃く反映しています。

豊かな都市生活を送るためには充実した都市施設が必要不可欠です。

古代都市でも現代都市でも普遍の原理です。
都市施設とは、都市活動や良好な都市環境を維持するための施設です。
例えば、歩行者用通路を含む道路。広場、緑地、墓苑などの公共空地。上・下水道。治水施設。マーケット。学校、図書館などの教育文化施設 。病院などの医療福祉施設などなどです。
さらに付け加えるならば、神殿などの宗教施設と悪所でしょうか。

都市施設のみごたえという観点からヨルダンの古代都市遺跡を観ると、アンマン(Amman)の都市遺跡は、現在の市街地に呑み込まれています、よって全体像がみえてきません。ジェラシュ(Jerash)は、都市施設が織りなす空間構成は素晴らしいのですが、保存方法に難があります。ウム・アル=ラサス(Um er-Rasas)は、世界遺産に登録されている都市遺跡です、しかし観るに値する都市施設がほとんど保存されていないのが残念です。

この意味でペトラ(Petra)はパーフェクトでかつエクセレントです。
都市遺跡が位置するロケーションの素晴らしさ、保存状態が比較的良い都市施設群の充実度。なかを散策していると当時の暮らしぶりが目に浮かび、同じ時代に居るような気持になります。


ペトラは、紀元前よりアラビア系遊牧民のナバテア王国の首都として、また通商の中継地とし繁栄していました。2世紀にはローマ帝国に征服されました、その後もおおいに繁栄しましたが、8世紀この地方をおそった大地震により都市は放棄され廃墟となったと言われています。
現存するローマンスタイルの都市遺跡はほとんどこの時代のものです。
ペトラを2回に分けてブログします。最初は、導入部と中心部の都市遺跡をブログします。



ペトラの都市遺跡へのアプローチは、劇的で意外性がありおおいに楽しませてくれます。
シークと呼ばれる岩の裂け目にできた峡谷の底を歩くような通路を20分ほど進むと、エル・カズネ(宝物殿、実際の用途は墳墓)が突然目の前に現れます。
まずは衝撃的な洗礼を持って迎え入れられたのです。

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都市の中心に向って少し歩くと、ローマ帝国時代の都市遺跡には、必ずある円形劇場が見えてきます。敷地の斜面をうまく利用していますが、そそり立つ岩は迫力あり過ぎです。
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コロネイド・ストリートは、ペトラの中心部にあるメインストリートです。
凱旋門をくぐり、円柱が並ぶ通りに出ると、神殿、宮殿、教会、マーケット、公衆浴場などなどが軒を連ねています。石畳みや階段、列柱などが創る豊かな外部空間の中に居ると、当時の繁華な雰囲気が容易に想像でき、人々のざわめきまで聞こえてくるようです。

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ナバテア人の神殿であったカスール・アル・ビントは、凱旋門の近くに位置しています。
何度かの地震により内部は、ほぼ崩壊しています。ローマ建築ではあまりみない、上部の迫り出しを特徴とする外壁がかろうじて形を保っています。

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