中国福建省永定県に福建土楼を訪れる その2 Fujian CHINA
福建土楼(フージィェントゥロウ)を観に中国福建省永定県(ヨンディンシィェン)を訪れました。
前回の続きです。
福建土楼はこれからどうなるのでしょうか。
福建土楼はこれからどうなるのでしょうか。
現状をリポートすれば、往時の一族が同居している本来の姿で、活況ある土楼はみかけませんでした。
状況は、ある程度の住人がいる、さらに過疎化が進んで老人が数家族で暮らしている。住人はいない、廃墟になっている。観光施設として生きながらえている、この三つがみえてきます。
状況は、ある程度の住人がいる、さらに過疎化が進んで老人が数家族で暮らしている。住人はいない、廃墟になっている。観光施設として生きながらえている、この三つがみえてきます。
過疎化が進む要因は、一族で一つの家に居住するという習慣が、現在では中国の農村部でも崩れつつあるということでしょう。また住居としての質を考えた場合、他の現代住宅と比較して著しく劣っています、つまり住みずらい住宅となってしまったのです。
現在は、博物館ではなく、お土産さんでもなく、なおかつ人々が暮らしている、生きている土楼をみれる最後の時代なのかもしれません。福建土楼の未来は決して明るくありません。
ところで中国の本屋さんに行くと、福建土楼を含む中国各地の民居を紹介した「古鎮遊」という毎年新版が出るガイドブックが、平積みにして販売されています、地方の古い街並みを訪れるのがブームなのでしょう。スタジオヤマは、このようにみんなが関心を持つことによって、これからの福建土楼の在り様としての、新しい策が生まれることを期待したいと思います。
《 大夫第 》
タイフゥティ/五鳳楼 1835年竣工、軸線上左右対称に主要な建築が連続して配置されています。
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《 遺経楼 》
イーチンロウ/方楼 奥の白漆喰で化粧された建築は、住居ではなく物置として使用されています。
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《 永隆昌楼 》
ヨンロンチャンロウ/五鳳楼 延床面積10,000㎡を超える大型土楼です。
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《 深遠楼 》
シェンヴェンロウ/円楼 2階建ての祠堂などを、4階建ての住居が取り囲んでいます。
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《 五実楼 》
ウースーロウ/方楼 だれも住んでいません、この姿で何年存在しえるのでしょうか、廃墟の美です。
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《 振成楼 》
チェンチョンロウ/円楼 1917年竣工、手すり、窓枠などにモダンなデザインを取り入れています。
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《 奎聚楼 》
クイジュロウ/方楼 敷地は田んぼを見下ろす斜面地です、各建物は階段状に配置されています。
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《 福裕楼 》
フーヴィロウ/五鳳楼 土楼を建てた三兄弟が住むため、内部は三つに区画されています。
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《 環興楼 》
ファンシンロウ/円楼 外部の浴室、トイレなど別棟も同心円状に配置されています。
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《 世澤楼 》
スーチェーロウ/方楼 4階建て、天井には祠堂などの共用建物が配置されています。
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《 僑福楼 》
チャオフーロウ/円楼 1962年竣工、石造の柱があるポルチコ状の部分は祠堂です。
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《 順源楼 》
シュンヴェンロウ/方楼 敷地の形状にあわせて五角形の土楼です。
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《 承啓楼 》
チョンジンロウ/円楼 内外とも状態が非常によい、かつ人が住んでいます、福建屈指の土楼です。
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中国福建省永定県に福建土楼を訪れる その1 Fujian CHINA
福建土楼(フージィェントゥロウ)を観に中国福建省永定県(ヨンディンシィェン)を訪れました。
2回に分けてブログします。
土楼では人々はどのように暮らしてきたのでしょうか。ティピカルな土楼をみてみましょう。
中央の広場には祖先を祭る祠堂や井戸などの共用施設があります。
それらを取り囲むように、住戸が配置されています。
各住戸の専有部分の構成は、1階は食堂や台所、2階は農作物などの倉庫、3・4階に寝室が配置されています。また住戸は日本の団地と同様に、プラン、仕様がすべて共通の標準タイプで占められています。
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《庚慶楼 》.jpg)
《 襄正楼 》.jpg)
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《 富紫楼 》.jpg)
《 徳輝楼 》
ドオフイロウ/方楼 方楼の場合、角部屋の扱いがデザインの要なのでしょう。
《 振福楼 》
チェンフーロウ/円楼 1913年竣工、渓流のほとり建つ姿が美しいです。
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《 衍香楼 》.jpg)
《 環極楼 》
ホワンジイロウ/円楼 1693年竣工、300年以上の歴史があります。
《 東成楼 》
トンチョンロウ/方楼 方楼ですが四隅を隅切りしています、よって八角楼と呼ばれています。
1階から最上階まで垂直区分で所有する状態は、一見してメゾネット住戸にみえますがそうではありません。専用部分に階段がありません、食事が終わり寝室に行くには共用の階段と外部の解放廊下を経ていくルートしかありません。ただし例外的に大規模な土楼では住戸内に階段があるタイプもあります。
トイレ、浴室は土楼から出た外部にあります。夜間は土楼のメインゲートが閉まりますので用足しは「おまる(馬桶)」を使用します。
土楼での暮らしぶりを経済的、社会的にみるならば、儒教に基づく家父長制に基盤をおいています。
一族の家父長は、宗祖を祀り、すべての家族を統率し内をおさめ、対外的には一族の代表として事に当りました。かつては収入と支出は家父長が管理し、男子は財産に対して平等の権利を持っていました、原始共産性のような社会だったのでしょう。
土楼の外を閉じ内に解放し平等性を重んじた造りは、暮しぶりを如実に反映させた結果なのです。
《 初渓土楼群 》
チューチートウロウチン 近くの山の上から観た円楼と方楼が程よく混在した土楼群は見ごたえ十分です。村内を散策していると、訪れる人があまりいないのでしょうか、村人の興味津々の視線を感じます。
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《 集慶楼 》
ジーチンロウ/円楼 例が少ない、各住戸ごとに専用階段があるメゾネット方式(単元楼)です。
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《 縄慶楼》
シォンチンロウ/方楼 4階建て、初渓土楼群を代表する方楼です。
《庚慶楼 》
ゴンチンロウ/円楼 住居部分に囲まれた中央の円形の建物は、祠堂などの共用部分です。
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《 襄正楼 》
シャンチョンロウ/方楼 土楼の中に入ると、生活臭で満ち溢れた暮らしぶりを眼の前でみれます。
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《 栄昌楼 》
ロンチャンロウ/円楼 外壁が漆喰で化粧されています。これが土楼一般の本来の姿なのでしょうか。
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《 富紫楼 》
フーズーロウ/方楼 廃屋寸前ですが人が住んでいます。こうなると加速度的に崩壊が進みます。
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《 徳輝楼 》
ドオフイロウ/方楼 方楼の場合、角部屋の扱いがデザインの要なのでしょう。
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《 振福楼 》
チェンフーロウ/円楼 1913年竣工、渓流のほとり建つ姿が美しいです。
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《 衍香楼 》
イェンシャンロウ/円楼 直径40m、4階建ての土楼。こちらも渓流のほとり建つ姿が美しいです。
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《 環極楼 》
ホワンジイロウ/円楼 1693年竣工、300年以上の歴史があります。
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《 東成楼 》
トンチョンロウ/方楼 方楼ですが四隅を隅切りしています、よって八角楼と呼ばれています。
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