ミマール・スィナンとセリミエ・ジャーミィ   Edirne TURKEY

カイセリからエディルネまでほぼ20年ぶりにトルコ横断の旅をしました。
スタジオヤマは、悠久の風景・建築・人情味など魅力満載のトルコを理解するため、いくつかの切り口を用意しました。
一つに 《オスマン帝国の建築》 という切り口で、前回の続きです。

ミマール・スィナン(Mimar Sinan 1489年-1588年)の作品群の中で、エディルネのセリミエ・ジャーミィ(Selimiye Camii)は、スレイマニエ・ジャーミィと並び称される代表作でしょう。どちらか一つ選びなさいと言われれば、スタジオヤマはセリミエ・ジャーミィに手を挙げます。
ミマール・スィナンは生涯において多くの建築を設計しましたがが、最晩年の作品となるのがセリミエ・ジャーミィです。
参拝者は、回廊に囲まれた前庭の泉において体を清めそして内部に入ります。
ほぼ点対称の平面は、8本の円柱とそれらに渡されたアーチによって支えられた、直径31m高さ47mの巨大なドームに覆われています。ふんだんに穿たれた窓から光が降り注ぎます。
ここにビザンティン建築の最高峰アヤソフィア大聖堂を超えた大空間が出現したのです。
正面のミフラーブ(メッカの方向を示すニッチ)やミンバル(説教壇)を前に身を置いていると、何の前知識が無くても「オスマン帝国のイスラーム建築とはこういうものか」ということが体験できます、ぜひトライしてみてください。
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Selimiye Camii


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ミマール・スィナンとスレイマニエ・ジャーミィ  Istanbul TURKEY

カイセリからエディルネまでほぼ20年ぶりにトルコ横断の旅をしました。
スタジオヤマは、悠久の風景・建築・人情味など魅力満載のトルコを理解するため、いくつかの切り口を用意しました。
一つに 《オスマン帝国の建築》 という切り口です。

オスマン帝国の建築について語るとき、その時代の傑作と呼ばれている建築作品をとおして特徴を明らかにすることができます。さらに進めてスタジオヤマは、一人の建築家の作品をとおして、オスマン帝国建築の華を語ろうと思います。
オスマン帝国は16世紀スレイマン1世の時代に、領土の拡大、文化・文明の発展などともに、イスラームの主導的国家として帝国の絶頂期を迎えました。

その時代に生きたミマール・スィナン(Mimar Sinan 1489年-1588年)は、スレイマン1世に仕える宮廷建築家です、彼によってオスマン帝国の建築が完成の域に達したと言われています。

また彼が活躍した時代、日本では戦国時代です、織田信長やその時代の戦国武将を知らない日本人はあまりいないように、現代のトルコではミマール・スィナンはよく知られた人物です。
ミマール・スィナンの作品は、ジャーミィ(モスク)などの建築作品、橋などの土木作品を合わせて400を超える作品が知られています。その膨大な作品群の中から、2つのピークすなわち代表作が生まれました。

一つはエディルネのセリミエ・ジャーミィ、次回ブログします。

もう一つはイスタンブルのスレイマニエ・ジャーミィSuleymaniye Camii)です。


スレイマニエ・ジャーミィは、イスタンブルの一番高い丘の上に建てられています。

細長いミナレットを従えた大小のドーム屋根による形態は、金角湾を挟んで対岸の新市街から望むとき、イスタンブルの都市景観に君臨しているかのようです。

内部空間は、大ドームの前後に半ドームを架けて、左右は窓の多い垂直壁とし、アーチやドームなどの構造的要素とステンドグラスからの光とのアンサンブルが、ドラマチックな大空間を創ることに成功しています。

また付属するマドラサ(神学校)、医学校、病院、無料給食所、宿泊所、商業施設、ハンマーム(公衆浴場)などと、スィナン自身の墓苑を含めて、複合建築群を形成しています。


ミマール・スィナンをさらに詳しく知りたい方へ
夢枕獏の<シナン>がおもしろいです、小説ですからどこまで史実に忠実かどうかは別として、人間スィナンを語っています。

  <MIMAR SINAN YAPILARY>は、主要作品を網羅した大部なプレートの実測図集です、イスタンブルのバザール横の古本屋さんを訪ね歩けば見つかるでしょう。


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141019-05 Suleymaniye Camii


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イスタンブルのビザンティン建築  Istanbul TURKEY

カイセリからエディルネまでほぼ20年ぶりにトルコ横断の旅をしました。
スタジオヤマは、悠久の風景・建築・人情味など魅力満載のトルコを楽しむため、いくつかの切り口を用意しました。
一つに 《ビザンティン建築 》 という切り口です。

イスタンブル(Istanbul)は、かつてコンスタンティノープルと呼ばれ、ローマ帝国、東ローマ帝国、オスマン帝国にわたって1600年もの間それぞれの帝国の首都でした。
1923年トルコ共和国が建国され首都がアンカラに移り、公式にイスタンブルという都市名称が与えられました。そして今でもトルコ最大の都市です。
イスタンブルの歴史のなかで、主に東ローマ帝国時代の建築をビザンティン建築と称します。
15世紀東ローマ帝国を征服したオスマン帝国の建築家たちは、ビザンティン建築が持つ空間構成、構造などを、乗り越えるべき対象あるいは範として扱いました。

コーラ修道院聖堂(Chora Church /カーリエ博物館)には、14世紀に制作された、ビザンティン美術の傑作と言われているモザイク画とフレスコ画が遺されています。
描かれているテーマは、キリストの生涯や聖母にかかわる物語などです。
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アヤソフィア大聖堂(Ayasofya)は、東ローマ帝国最大かつ格式のあるキリスト教の教会で、総主教座が置かれていました。
何回かの大規模な補修や構造的補強を行われましたが、6世紀の創建時から現在に至るまで、基本的な空間構成は変わっていません。このことは、時代を超えて生きながられる独創生を持った、偉大な建築である証左です。
オスマン帝国の時代に、ミナレットやミンバルが増設されイスラームのジャーミィに改修されました。時のスルタンが参拝する第一級の格式を誇るジャーミィとして利用され続けたのです。
空間構成の最大の特徴は、室内中心部にある巨大なドームです。
高いドームのハイサイドライトから漏れるスポットライト状の光は、床や壁を照らし、祈りの場にふさわしい神秘的で、ドラマチックな空間を醸成しています。
アヤソフィア大聖堂に代表されるビザンティン建築の空間構成は、オスマン帝国のイスラーム建築にとどまらず、東ヨーロッパやロシアの教会建築に多大な影響を与え続けました。
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141012-06    Ayasofya Istanbul
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エフェソスとヒエラポリスに古代都市の繁栄をみた  Ephesus Hierapolis TURKEY


カイセリからエディルネまでほぼ20年ぶりにトルコ横断の旅をしました。

スタジオヤマは、悠久の風景・建築・人情味など魅力満載のトルコを楽しむため、いくつかの切り口を用意しました。

一つに 《古代都市遺跡 》 という切り口です。


古代ギリシアの都市国家や古代ローマ帝国は、地中海全域に多くの独立した植民都市としての都市国家を建設しました。アナトリア(トルコ共和国のアジア側)には、トルコを代表する二つの都市遺跡が残されています。

 

パムッカレ(Pamukkale)の純白の棚田のような景観は、地下から湧出した炭酸カルシウムを含む温泉水が、山肌を流れ落ちる際、炭酸カルシウムが長い年月をかけて沈積してできた石灰棚です。
ヒエラポリス(Hierapoli)は、パムッカレの石灰棚の上に広がる、ローマ帝国の古代都市遺跡です。紀元前2世紀に建設が始まり2世紀から3世紀にかけてローマ帝国の温泉保養地として最盛期を迎えました。

当時の公衆浴場、円形劇場、競技場、神殿などの都市施設が残され繁栄ぶりを今に伝えます。

また城門の外側には、死者の街と言われるネクロポリス(Nekropolis)が遺されています。


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Travertines  Pamukkale

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 Arch of Dmitian  Hierapoli



141005-03     Martyrium  Hierapoli


141005-04     Necropolis  Hierapoli



エフェソス(Ephesusは紀元前11世紀ごろから建設が始まったイオニア人(古代ギリシア人)の都市国家です。紀元前2世紀には共和制ローマの支配下に入り、東地中海交易の中心都市として繁栄しました。しかし8世紀イスラム勢力の台頭により都市は放棄され終焉しました。

当時のエフェスは、東地中海最大の都市でした。

メインストリートであるクレテス通り(Curetes Way)を軸に、5万人を収容できるといわれている円形劇場、12万冊の蔵書を誇った図書館をはじめ、神殿、公衆浴場、住宅、娼館まで一通りの都市施設が保存状態の良い状態で遺されています。

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  Curetes Way  Ephesus


141005-06      Library of Celsus  Ephesus


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