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ウクライナの世界遺産を巡る その1

 〈 ウクライナの世界遺産を巡る 〉を、ブログしたいと思います。
 
ウクライナには2022年時点で登録順に下記の文化遺産があります。
 A:キーウの聖ソフィア大聖堂と関連する修道院群及びキーウ・ペチェールシク大修道院
   1990年登録
 B:リヴィウ歴史地区群 1998年登録
 C:シュトルーヴェの測地弧 2005年登録
 D:ブコヴィナ・ダルマチア府主教の邸宅 2011年登録
 E:ケルソネソス・タウリケの古代都市とその農業領域 2013年
 F:ポーランドとウクライナのカルパティア地方の木造教会群 2013年登録
このうちCは、19世紀、地球の大きさなどを正確に測るため設置された標識で、文明的な価値は高いのですが、一般の人が観ても面白くないので割愛します。
またEは、紀元前5世紀後半に建設が始まる都市遺跡および農業遺跡です。
場所がクリミア半島にあるため、スタジオヤマが訪れようとした2018年時点で、ロシアのビザが必要だったため訪問を断念しました。
そしてFについては、ウクライナに8箇所、ポーランドに8箇所現存しています。
同じような木造教会の世界遺産「ポーランドのマウォポルスカ南部の木造聖堂群」、「カルパティア山脈地域のスロバキア側の木造教会群」、「ルーマニアのマラムレシュの木造聖堂群」、合計38箇所をまとめて、別ブログで紹介するつもりです。
 
ウクライナの世界遺産は素晴らしいと思います。
またそれらを育んだ生活環境も素晴らしいと思います。
現在ウクライナは、ロシアの侵略を受けそれに対抗しています、戦争のさなかです。
スタジオヤマは、有形無形すべてのものが破壊されずにこのまま遺ってほしい、そして平和になりウクライナに再訪できる日を待ち望んでいます。
 
このシリーズをスタートするにあたって
日本のおよそ1.5倍というヨーロッパでロシアに次ぐ広大な国土を持つウクライナ。
1991年ソビエト連邦の崩壊に伴い独立国家として歩み始めたウクライナ。
その首都キーウ 〈 Kyiv 〉 の現況を通じて、ウクライナとはどういう国なのかを、理解することから始めましょう。
 
 
キーウ 〈 Kyiv 〉 を知ろう その1
1500年の歴史を誇る首都キーウは、ヨーロッパ有数の大都市であり、ウクライナ最大の都市です。そして現在の政治・経済・文化の中心でもあります。
キーウはドニプロ川を挟んで広がっています。川の右岸西側の小高い丘の上に旧市街が拡がっています、それに対し低地である左岸東側は高層建築物が目立つ新市街となっています。
旧市街にある独立広場 〈 Maydan Nezalezhnosti 〉 は、キーウを代表する空間といえましょう。
その時々の権力者によって名前が変わってきました、現在の名前は1991年ソビエト連邦からの独立を記念して変更されました。
記念柱の上にシンボリックに鎮座する女神ベレヒニアは、楽しく集う人々、流血や放火があったデモなどなどを俯瞰してきたのでしょう。
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キーウ〈 kyiv 〉を知ろう その2
独立広場から南に延びるフレシチャースク通り < vul Khreshchatyk > にはデパートなどの商業建築や郵便局などの公共建築近代が立ち並び、週末には歩行者天国となり、キーウで最も繁華な通りといえましょう。
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キーウ〈 kyiv 〉を知ろう その3
都市から次の都市に移動する際、車窓に広がる光景を見ていると、国土のほとんどが肥沃なステップ(草原)で占められていることを実感できます。
キーウの郊外も同様です、そこには、点在する建物と豊かな穀倉地帯が広がっています。
そのなかで 〈 National Museum of Folk Architecture and Life of Ukuraine 〉 は必見です。
つい最近までの農村風景から現代の郊外住宅まで、現物保存され展示されています。
ウクライナの人々がどういう暮らしをしてきたか、しているかがよく理解できます。
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ウクライナの世界遺産を巡る その2

ウクライナの世界遺産を巡る。
シリーズ第1回は、
《 キーウの聖ソフィア大聖堂と関連する修道院群及びキーウ・ペチェールシク大修道院 》
《 Kyiv: Saint-Sophia Cathedral and Related Monastic Buildings, Kyiv-Pechersk Lavra 》
2カ所の教会建築群が一括して世界遺産に登録されています。
その一つづつを2回にわたってブログします。
 
まずは〈 聖ソフィア大聖堂 Saint-Sophia Cathedral 〉 です。
キーウ中心部にある市内では現存最古の聖堂は、1037年に建立されました。
現在見られる聖堂は、1685年から1707年の大改築を経た姿です。
高さは78メートルの鐘楼からウクライナ・バロック様式の聖堂と、付属する神学校、府主教の邸宅などなどの一連の建築群が一望できます。
聖堂の内部空間も素晴らしいのですが、写真撮影禁止のため紹介できないのが残念です。
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ウクライナの世界遺産を巡る その3

 ウクライナの世界遺産を巡る。
シリーズ第2回は、
《 キーウの聖ソフィア大聖堂と関連する修道院群及びキーウ・ペチェールシク大修道院 》
《 Kyiv: Saint-Sophia Cathedral and Related Monastic Buildings,Kyiv-Pechersk Lavra 》
のうち 〈 キーウ・ペチェールシク大修道院 Kyiv-Pechersk Lavra 〉 です。
11世紀に創建された修道院です。
修道士がドニエプル川沿いの洞窟(ペチェーラ)で修行を始めたことを起源にしています。
よって地下洞窟に形成された地下墓地を含む「下の修道院」と、その上に建てられたウクライナ・バロック様式の教会や聖堂、そして各種博物館などの「上の修道院」とで構成されています。
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ウクライナの世界遺産を巡る その4

 ウクライナの世界遺産を巡る。
シリーズ第3回は、チェルニウツィにあるブコヴィナ・ダルマチア府主教の邸宅です。
 
チェルニウツィ Chernivtsi
まずはチェルニウツィの地政的位置を確認しましょう。
スタジオヤマは、ポーランドのスチャヴァ(Suceava)から路線バスにてウクライナ、チェルニウツィ州の州都チェルニウツィに入国しました。
ウクライナそしてチェルニウツィは、有史以来、周辺諸国からの侵略と併合、13世紀モンゴル族の侵略などなど、第2次世界大戦後ソビエト連邦編入まで歴史的できごとに翻弄され、それは連邦崩壊後1991年ウクライナ独立まで続きました。
現在のチェルニウツィは、ウクライナ西部の文化の中心地として発展しづけています。
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《 ブコヴィナ・ダルマチア府主教の邸宅 Residence of Bukovinian and Dalmatian Metropolitans》
ブコヴィナとは、ウクライナ、ルーマニアにまたがる地域の歴史的地名です。
そしてその中の一つの主教区がダルマチアです。
この邸宅は、ブコヴィナがオーストリア帝国に属していた1864年から1882年にかけて、チェコ人の建築家ヨセフ・フラヴカの設計で建てられました。
建築群は、かつてのダルマチア府主教たちの住居や聖堂・修道院・庭園などからなり、現在はチェルニウツィー大学の校舎の一部として利用されています。
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ウクライナの世界遺産を巡る その5

 ウクライナの世界遺産を巡る。
シリーズ第4回は、リヴィウ歴史地区です。
 
《 リヴィウ歴史地区 L'viv - the Ensemble of the Historic Centre 》
ウクライナのキーウや東部、南部では、ロシア語が日常的に話されているか、あるいはウクライナ語とロシア語を併用している地域が多いです。
リヴィウでは、ロシア語が使われることはまれです。
ほとんどの住民は、ウクライナ語のみで日常生活を送っています。
そのため、最もウクライナ的な都市であり、ウクライナ語文化の中心と称されています。
旧市内には世界遺産を構成する建築が数多く遺されています。
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スタジオヤマ

Author:スタジオヤマ
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[時間][空間][写真]
[時間]とは歴史的な流れを
[空間]とは地球規模での拡がりを表しています。
スタジオヤマは時空を自在に
切り取る[写真]を通じ
自らの思慮を表現していきたいと思っています。
応援をよろしくお願いします。
スタジオヤマ
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一級建築士

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